脳科学を超解釈すると、自分は二人いる。意識と無意識だ。
ここからは意識の自分を思考君、無意識の自分を行動君と呼ぶ。
プラットフォーム・ゲームとは、国内ではジャンプアクションであるとか、横スクロールであるとか言われているジャンルだ。もちろんこのジャンルの最大手は『スーパーマリオ』シリーズだろう。正直、ビデオゲームと言えばこのジャンルであると考える人もたくさんいるだろう。それくらい人類は画面に表示される足場という足場に飛び移りたいのである。
ゲームシナリオの解剖学from各務都心:第3回『Celeste』他者とのあいだの壁を登り続けよ プラットフォーム・ゲームにおけるシナリオの最適解
ライター氏は冗談交じりで書いているのかもしれないが、そこだよおれが求めるゲームの本質は。
人類は足場という足場に飛び移りたい。
人類はブロックがあれば崩したい。
バットを持てばぶん回して殴りたい。敵がいたら弾を撃って倒したい。車を走らせたら抜かしたい。空を自由に飛びたい。
ぶっちゃけそれだけだ。これらは行動君の欲求そのもの。
一般的なゲームは思考君の欲求を満たす面が強いので、色々と違う。
ゲームという英語の意味は勝負。勝負とは競技であり、競技はつまりルール。ルールは思考君の領域だ。でも行動君にとってルールは本質じゃない。
ゲームデザイン論だと、ゲームの本質はRisk & Return (駆け引きによる緊張感と成功した達成感)こっちが行動君にとっての本質、気持ちよさだ。
Risk & Returnは思考君でも同じだけど、Retrunが違う。
思考君にとっての報酬は「これで自分が有利になるな、あれが出来るようになるな」という状況やステータスの獲得。先に進むのに必要な要素が揃う、経験値、レベルアップ、アイテム、強武器入手etc
行動君にとっての報酬は「リスクに打ち勝った気持ちよさ」
アイテムだのレベルアップだの要らんのよ。次の足場へジャンプ成功したらそれ自体が報酬。
娯楽全体で考えると、屋内の娯楽は思考君向けばかり。
読書、Web、SNS、アニメ、動画、映画、テレビ。すべて思考君が解釈する娯楽だ。休みだから休もうと思っても、娯楽で思考君をフル稼働させると結局疲れてしまう。疲れを感じるのは思考君だから。
音楽(歌無し)は違うけど、歌は脳が言語解釈を始めてしまうので思考君が稼働する。だから聞き取れない外国語の歌は疲れず快適。
行動君の娯楽は屋外。体を動かすこと。スポーツ、散歩、ランニング、サイクリング。昔は屋内で行動君の娯楽はなかった。
頭の疲れと体の疲れのバランスを取らないといけない。頭ばかり疲れても良い睡眠は取れないというが、実際には頭と体というより、思考君と行動君の疲労のバランスのことかもしれない。
そうは言っても外出できないと行動君は疲れないって? 行動君の娯楽を存分に楽しめば良いのだ。そう、行動君向けゲームはリアルにスポーツの代わりになる。筋肉は使わないけど無意識の自分は使う。
自分の中での娯楽論として、思考君向けの娯楽はいくらでもある。ゲームである必要がない。
昨今のゲームはボリューム指向でタイムパフォーマンスが悪いので、自分は思考君向けの娯楽なら読書や映画を選ぶ。
でも、屋内で行動君の娯楽としてはゲームしかない。
思考君が疲れてる。読書も映画も思考君が疲れるからやりたくない。行動君だけで遊べる娯楽がしたい。家の中でできる行動君向けの娯楽はゲームくらいしかない。
だから自分は、ゲームを遊ぶなら行動君向けのゲームが遊びたい。
行動君向けのゲームといえば音ゲーかシューティング。ジャンプアクションは、最近は成長要素やらマップに謎解きやパズルやら色々詰め込んで思考君の要素多めか。
ただ、純粋な行動君向けゲームには大きな問題がある。行動君の成長力や潜在能力は凄まじいので、ドラゴンボール並みに難易度インフレが止まらない。音ゲーなんて業界全体で難易度上昇してない?可愛かったのは初代太鼓の達人かドンキーコンガくらい。
他のジャンルもそれが好きな人、得意な人がターゲットな感じ。
行動君向けゲームが遊びたいけど、自分の行動君はスペックが低いので難易度的につらい。
本気で頑張って不可能を可能にする達成感を味わいたいわけでもなく、もう少しリラックスして遊びたい。
市販ゲームでもEASYモードがあればそれで遊ぶけど、もう一つ面白いのが、脳内で自作ゲームを作って遊ぶこと(中二かよ)。それで思考君が疲れることは無いんだが、逆に興奮して夜眠れなくなることはある。なんだそれは。脳内妄想だけでなく時々は実際に作ってやらないとな。
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